牡蠣は「海のミルク」とも称されるほど、独特の甘みとクリーミーな味わいが魅力の海産物です。
しかし、その美味しさの裏で、食中毒のリスクもはらんでいます。
実際に食中毒を経験すると、牡蠣を敬遠する人が少なくないと言われています。
この記事では、牡蠣を通じた食中毒の発生確率と、その背景について詳しく見ていきます。
牡蠣による食中毒の確率
牡蠣を介した食中毒の確率を正確に出すのは難しいですが、最新のデータによれば、ノロウイルスによる魚介類の食中毒が全体の約2.6%を占め、その中でも牡蠣が原因の割合はさらに低いとされています。
ノロウイルスやアニサキス対策の普及により、食中毒の件数は減少傾向にあります。
牡蠣による食中毒とは?
牡蠣による食中毒の確率は全体としては低いですが、どのような状態を指すのでしょうか。
牡蠣の食中毒の実態
牡蠣に存在する細菌や成分が原因で、食後に強い腹痛や吐き気といった症状が現れることがあります。
牡蠣による食中毒の主な原因は4つに分けられます。
ノロウイルスによる食中毒
ノロウイルスは、牡蠣による食中毒の中でも特に一般的な原因です。
牡蠣やその他の二枚貝は本来ノロウイルスを持っていないのですが、感染者の排泄物に含まれるウイルスが環境に残留し、水系を通じて牡蠣に蓄積されることがあります。
ノロウイルスの症状
ノロウイルスの感染では、嘔吐や激しい下痢、腹痛が見られ、場合によっては発熱も伴います。
通常、健康な成人は1日から2日で回復しますが、高齢者や子ども、妊婦などは重症化しやすいため注意が必要です。
腸炎ビブリオによる食中毒
腸炎ビブリオは夏に多く発生する感染性胃腸炎の原因菌で、冬場にも感染することがあります。
この菌は生の魚介類を扱った調理器具やまな板から二次感染することが主な感染ルートです。
腸炎ビブリオの症状
腸炎ビブリオの感染により、激しい腹痛や下痢が引き起こされることがあります。
重症の場合、血便を伴うこともあります。
この感染症では食後2~3時間以内に発熱することが一般的で、特に免疫力の低下している高齢者では、致命的な結果に至ることもありますから、警戒が必要です。
貝毒による食中毒
貝毒は、貝が毒性のプランクトンを摂取することで、その毒素が貝の体内に蓄積し、それを人が食べることによって影響が現れるものです。
貝毒には麻痺性と下痢性の2種類があり、麻痺性貝毒では手足や顔のしびれが現れる一方、下痢性貝毒では吐き気、下痢、嘔吐が主な症状となります。
市場に出る牡蠣は通常安全ですが、自分で採取した貝には注意が必要です。
食中毒かもしれないと思ったとき
一般的にレストランや市場で販売されている牡蠣を食べて食中毒になる可能性は低いですが、完全には排除できません。
牡蠣を食べた後に体調の異変を感じた場合は、注意が必要です。
食中毒かな?と思ったら
食中毒の疑いがある場合、重要なのは水分補給と、嘔吐がある場合には横向きに寝かせることです。
これにより、嘔吐物が気道を塞ぐリスクを低減できます。
下痢が続く場合は、市販の薬を勝手に使用せず、専門医の診断を受けることが推奨されます。
まとめ
牡蠣は非常に美味しい海産物ですが、食中毒のリスクも伴います。
主な原因は、ノロウイルス、腸炎ビブリオ、貝毒などです。
食中毒になる確率は低いものの、自分で採取した貝類には特に注意が必要です。
食中毒の初期症状には強い腹痛、下痢、吐き気が含まれます。
これらの症状が見られた場合は、十分な水分を摂取し、適切に対応することが重要です。
また、症状が重い場合や改善が見られないときは、迅速に医療機関を受診することが勧められます。
食中毒の可能性を疑った場合には、適切な対応を取ることで、重篤な健康被害を避けることができます。