手軽に入手できて、味わい深いジャガイモは多くの家庭で重宝されています。
費用対効果も高く、保存性にも優れているため、経済的にも大助かりです。
しかし、保管しているジャガイモが青く変色してしまうことはありませんか？
長期間の保存により、ジャガイモは芽を出すことがあります。
これらの芽には有害な成分が含まれており、摂取した場合、健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。
そうなると、青く変色したジャガイモの安全性について疑問が湧きます。
この記事では、ジャガイモが青く変色するメカニズム、変色を防止する方法、そして変色したジャガイモの適切な処理方法について詳細に説明します。
青く変色したジャガイモを食べるのは安全か？
ジャガイモは保存が利くため、時に青く変色することがあります。
「保存していたジャガイモが青くなってしまった」というのはよくある話です。
保存している間にジャガイモが芽を出し、その際に「ソラニン」という毒性物質が生成されることがあります。
これを食べると食中毒を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
では、青く変色したジャガイモはどうでしょうか？
もし同じように有害な影響がある場合、適切な取り扱いが必要になります。
ジャガイモの青変の原因、それに含まれる成分、及びそれに伴うリスクについて詳しく見ていきましょう。
ジャガイモが青く変色する理由
ジャガイモが青く変色する主な原因は、太陽光や人工的な光です。
地中で育つジャガイモですが、光にさらされると光合成が始まり、結果的に緑色に変わります。
ジャガイモの芽やその根元には、「ソラニン」や「チャコニン」という有害物質が豊富に含まれています。
これらの成分を摂取すると、食中毒になることがあります。
青く変色したジャガイモ部分にも、ソラニンやチャコニンが生成されている可能性があります。
つまり、変色したジャガイモを食べると、健康に害を及ぼす恐れがあるのです。
ソラニンとチャコニンについて
ソラニンとチャコニンは、自然に存在する毒素です。
ジャガイモの芽、芽の根元、そして青く変色した部分には特に多く含まれています。
また、小さく未熟なジャガイモにもこれらの物質が含まれることがありますので、自家栽培のジャガイモを食べる際には特に注意が必要です。
さらに、ソラニンやチャコニンは加熱しても毒性が消えないため、これらの毒素による食中毒を防ぐためには、含まれる部分を摂取しないことが重要です。
出典：農林水産省『食品中の天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関する情報』
ソラニンやチャコニンを摂取した場合の影響は？
ソラニンやチャコニンが多く含まれる部分を摂取した場合、どのような影響があるのでしょうか？
ソラニンとチャコニンを摂取すると、以下のような一般的な食中毒の症状が現れることがあります。
- 胃の痛み
- 吐き気や嘔吐
- お腹の不快感
- 頭痛
- めまい
もし、ジャガイモの芽や青くなった部分を食べてしまった場合は、体の異変に注意してください。
上記の症状が現れたら、すぐに医療機関を受診することをお勧めします。
体の大きさによる影響の差
大人は体が大きいため、ソラニンやチャコニンを少量摂取しても、中毒症状が出ないことがあります。
しかし、子どもは特に注意が必要です。
体の小さな子どもは、大人と比べて少量でもソラニンやチャコニンの影響を受けやすいためです。
お子様がいるご家庭では、ジャガイモの芽や青く変色した部分がないか、特に注意深く確認してください。
ジャガイモが青く変色した部分の処理方法
ジャガイモが青く変色している場合、どのように対応すれば良いでしょうか？
ジャガイモが全体的に青く変色している場合は、ソラニンやチャコニンが生成されていると考えられます。
このような場合は、食べずに廃棄することを推奨します。
一方、ジャガイモの一部が青く変色している場合は、その部分を取り除けば食べられます。
ただし、青く変色した部分だけを取り除くだけでは不十分です。
ソラニンやチャコニンは青い部分だけではなく、その周辺にも存在する可能性があるため、少し広めに取り除く必要があります。
ジャガイモに芽が出ている場合も同様で、芽だけでなく、芽の基部やその周辺にもソラニンやチャコニンが生成されている可能性があります。
そのため、芽を取り除く際には、芽だけでなくその周辺も十分に取り除くことが重要です。
さらに、小さく未熟なジャガイモにもソラニンやチャコニンが多く含まれていることがあります。
これらを食べる際は、量を控え、特に皮ごと食べることを避けるよう注意しましょう。
ただし、未熟で小さなジャガイモは避けるのが最も安全です。
どのサイズが安全か判断が難しい場合は、食べることを控えることをお勧めします。
ジャガイモの購入と保存のためのコツ
ジャガイモが部分的に青く変色していたとしても、適切に取り除けば安全に食べられることがわかりました。
しかし、最初から変色を避け、ソラニンやチャコニンによる食中毒のリスクを減らすためには、ジャガイモの選び方と保存方法に特に注意が必要です。
次の3つのポイントを覚えておきましょう。
- 購入時は、芽が生えていたり青く変色しているジャガイモは選ばない。
- 必要なときに必要な分だけ購入し、長期保存はしない。
- 保存は暗くて涼しい場所で行う。
購入の際は、スーパーマーケットで展示されているジャガイモが芽を出していないか、青く変色していないかをしっかりと確認しましょう。
ジャガイモは長く保存するほど芽が出たり変色したりしやすくなります。
そのため、必要なときに必要な量だけを購入し、余分な長期保存は避けることで、新鮮な状態を保てます。
また、ジャガイモは日光に当たると変色しやすく、温度が高いと発芽しやすくなります。
そのため、暗く冷たい場所での保存が推奨されます。
冷蔵庫での保存は必須ではありませんが、カビや傷みを防ぐためには適度な通気性を保つことが大切です。
理想的には、10℃程度の冷暗所で保管し、特に夏場は冷蔵庫の野菜室で保存すると良いでしょう。
まとめ：青く変色したジャガイモは食べられるのか？
ジャガイモは家庭で広く愛用される経済的で多目的な食材ですが、その扱いには注意が必要です。
特に、青く変色した部分や芽にはソラニンやチャコニンといった有害な成分が含まれており、これらを摂取すると食中毒の症状が出るリスクがあります。
ジャガイモが青く変色する主な原因は、太陽光や人工光の影響で光合成が行われることです。
青く変色した部分や芽を摂取すると、吐き気や頭痛、めまいなどの症状が現れることがあります。
特に、体の小さい子どもは成人と比べて少量でも影響を受けやすいため、細心の注意が必要です。
これらのリスクを避けるために、購入時には青く変色しているジャガイモや芽が出ているものは避け、必要な分だけ購入し、暗く涼しい場所で保存することが勧められます。
万が一、ジャガイモが青く変色してしまった場合は、青い部分を十分に除去した後に食べるか、安全を確保するために廃棄することが賢明です。
適切な管理を心掛ければ、ジャガイモは安全で美味しい料理の材料として楽しむことができます。
ジャガイモのリスクを理解し、購入から保存、調理に至るまで注意深く扱うことが重要です。
