この記事では、加湿器と空気清浄機の一体型製品に関するデメリットに焦点を当てて説明します。
一部の空気清浄機には、加湿器と統合された製品が存在します。
加湿器と空気清浄機、両方の機能を備えた一体型製品は、多くの人にとって便利な選択肢となっています。
加湿と空気浄化の双方を提供する加湿空気清浄機は、魅力的に思えますが、実際にはいくつかのデメリットも存在します。
メンテナンスの手間、電力消費、そしてランニングコストなどを考慮する必要があります。
この記事では、加湿器と空気清浄機の一体型製品のデメリットと予想外の特徴について詳細に説明します。
また、おすすめの加湿空気清浄機も紹介しますので、製品購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
加湿器と空気清浄機の一体型製品のデメリット
それでは、加湿器と空気清浄機の一体型製品のデメリットについて紹介します。
以下、6つのデメリットです:
- 本体サイズが大きい
- 加湿器部分のメンテナンスが手間
- 頻繁な給水が必要
- カビの発生リスク
- 空気清浄力と加湿力が低い
- 転倒すると大問題になる
本体サイズが大きい
加湿器と一体型の空気清浄機は、通常の空気清浄機よりも奥行きが約5cm大きくなります。
これは、加湿に必要な水タンクを含んでいるためです。
ただし、最近では小型の加湿空気清浄機も増えています。
リビングルームなどの広いスペースに設置する通常の空気清浄機は、通常、幅30cm×奥行30cm×高さ60cm程度です。
狭いスペースや一人暮らしの部屋に設置する場合は、サイズを確認してから購入することをおすすめします。
加湿器部分の手入れの手間
空気清浄機は、加湿機能がない製品であっても、フィルターの手入れが月に1〜2回必要です。
一体型の加湿器と空気清浄機を使っている場合、給水タンク部分のメンテナンスも追加されます。
通常、給水タンク部分の掃除は、月に1回程度、水で洗うことが一般的です。
頑固な汚れには、希釈した中性洗剤を使用するか、クエン酸などに浸すと効果的です。
ランニングコストについて心配するかもしれませんが、大手メーカーの例では、加湿フィルターの交換は10年に1回で十分です。
加湿フィルターの価格も3,000〜5,000円程度で、高額ではありません。
給水の頻度が高い
加湿空気清浄機の給水は基本的に毎日交換が必要であり、加湿しない場合でもタンクを空にしておく必要があります。
一般的な製品のタンク容量は3〜4リットルで、最大加湿量は400〜800ミリリットル/時になります。
単純計算すると、給水はおよそ4〜10時間ごとに必要となります。
もちろん、常に最大加湿量で稼働するわけではないので、上記の数字よりも給水までの時間は長くなります。
しかし、毎日4キログラムほどのタンクを部屋の中で運ぶのは、実はかなり手間がかかる作業です。
カビの発生の可能性
加湿空気清浄機を適切に手入れしないと、給水部分にヌメリや細菌が発生することがあります。
これを放置すると、空気清浄機内部にカビが生える可能性も考えられます。
カビがフィルターに発生した場合、フィルターの交換が必要です。
現代の空気清浄機は衛生面に注意を払った製品が多く、きちんと手入れを行えば大きな問題はありません。
ただし、加湿機能のない製品と比べると、カビの発生リスクが高まる可能性を認識しておくべきです。
空気浄化と加湿の制約
加湿器と空気清浄機を同時に使用する際、多くのメーカーの製品では風量が制限されます。
風量の制限は、空気の循環速度が低下することを意味します。
各製品の風量は、通常「加湿空気清浄」の部分に記載されている数字を確認することで理解できます。
また、加湿機能も加湿専用機に比べて能力が制約されることが多いです。
加湿空気清浄機の性能を判断する際に重要なのは「適応畳数」です。
適応畳数を超える部屋では、湿度の調整が効果的でなくなる可能性があります。
十分な加湿機能を求める場合、加湿専用機を選ぶことが賢明です。
転倒時のリスク
特に小さな子供がいる場合、高い空気清浄機は転倒する可能性があります。
加湿空気清浄機が転倒すると、給水トレイから水が漏れるのは当然のことです。
床だけでなく、空気清浄機の内部やフィルターも濡れる可能性があり、深刻な事態につながります。
また、プラグやコンセントが近くにある場合、漏電のリスクも考えられます。
通常、空気清浄機は壁から30cm以上離れた場所に設置することが推奨されています。
設置場所を慎重に選ぶことが重要です。
加湿器&空気清浄機一体型の利点
加湿器&空気清浄機一体型には、メリットも存在します。
一体型の利点は主に以下の5つです:
- 空気清浄機能の高性能
- 電力消費が経済的
- スペースを節約
- 単一のコンセントで運用可能
- 二つを個別に購入するよりもコスト効果が高い
空気清浄機能の高性能
実際には、主要メーカーの上位モデルの多くが加湿器&空気清浄機一体型です。
そのため、加湿器&空気清浄機一体型を選ぶことで、高性能な空気清浄機を手に入れることができることがよくあります。
加湿機能を必要としない場合でも、より優れた空気浄化機能を求めるなら、加湿器&空気清浄機一体型が適しています。
電力代の節約
加湿器&空気清浄機一体型は、1つの装置で空気清浄機と加湿器の機能を兼ね備えています。
これにより、2つの機器を別々に使用する場合と比べて電力代を節約できます。
主要メーカーの加湿器&空気清浄機一体型製品であるダイキンの「MCZ70Y」、パナソニックの「F-VXU90」、シャープの「KI-NS70」を例に挙げて、電力代をシミュレーションしてみましょう。
これらの製品の消費電力は、通常の運転(中)時で1時間あたり15〜24ワット程度です。
電力料金が1キロワット時あたり27円であると仮定すると、1時間の電力代は0.5〜0.65円です。
24時間連続運転すると、1か月で370〜480円、1年で4,500〜5,800円程度の電力代になります。
加湿器の水蒸気を使用するため、電力代に大きな違いはありません。
ただし、空気清浄機の強力な運転モードは、通常の運転に比べて1.4〜3倍の電力を消費することがあります。
ほとんどの現代の空気清浄機は風量を自動調整しますが、強力な運転モードの電力消費には注意が必要です。
スペースの節約
加湿器&空気清浄機一体型は、大きなサイズという欠点がありますが、この欠点は加湿器と空気清浄機を別々に配置する場合と比較しての話です。
一体型の装置は、加湿器と空気清浄機を別々に配置する場合に比べてかなりスペースを節約できます。
通常、空気清浄機は床に置かれますが、加湿器は床に置かれることは適していません。
加湿器を床に置くと、部屋の湿度が上がりにくく、カビの発生原因になる可能性があります。
そのため、加湿器を設置するためのテーブルやスペースが必要です。
しかし、加湿器&空気清浄機一体型なら、床に置いても問題ありません。設置スペースを気にする必要がありません。
一つのコンセントですべてOK
加湿器と空気清浄機が一体化することで、節約できるのはスペースだけでなく、コンセントの数も削減できます。
特に一人暮らしや賃貸住宅では、コンセントの数が制限されており、新たに増設するのは難しいことがあります。
そのため、一台で済むのは非常に便利です。
一台の購入で済むので経済的
通常、リビングサイズの空気清浄機は2万〜3万円程度で、加湿器も1万〜2万円程度の価格帯が一般的です。
2つの機器を別々に購入する場合、最低でも3万円から5万円程度の費用がかかります。
価格と性能には通常、相関関係があり、低価格な製品は性能に制約があることが一般的です。
2つの低価格な製品を選んでしまうと、どちらの機能も充分に発揮されない可能性があります。
一方、加湿空気清浄機一体型は2万〜3万円程度で購入できます。
この価格帯であれば、性能の高い空気清浄機を手に入れることができます。
購入前に加湿面積と風量を確認しておけば、後悔することはほとんどありません。
おすすめの加湿器&空気清浄機一体型3選
最後に、おすすめの加湿器&空気清浄機一体型をご紹介します。
加湿空気清浄機を選ぶ際に重要なのは、「加湿適応面積」と「加湿空気清浄時の風量」の確認です。
これらの要因を考慮した上で、以下は3つのおすすめ製品です。
各製品には特長がありますので、購入の際にご参考にしてください。
シャープのKI-NS70:コスパに優れた加湿空気清浄機
シャープのKI-NS70は、おなじみのプラズマクラスター搭載の空気清浄機です。
このモデルは最大加湿量が700mL/hで、効果的な加湿を行い、銀イオンカートリッジを使用してタンクやトレーのヌメリやニオイを防ぎます。
また、プラズマクラスター25000も搭載されており、空気清浄機能も優れています。
それでいて3万円以下で購入できる、コストパフォーマンスに優れた製品です。
この加湿空気清浄機の加湿適応面積はプレハブ洋室で19畳、木造で12畳です。
8畳の部屋でもわずか11分で加湿空気清浄できます。
風量(m³/分)は強5.5、中4.0、静音1.5で、効果的な空気清浄が行えます。
センサーによる気流や風量の制御により、24時間運転も問題ありません。
さらに、洗えないソファーやカーペットを除菌・消臭する「プラズマクラスターパワフルショット」も魅力的です。
フィルターも10年間交換不要なので、ランニングコストも低く抑えられます。
コストパフォーマンスに優れた空気清浄機をお求めの方におすすめです。
パナソニックのF-VXU90:花粉と湿度に対応
次に紹介するのは、パナソニックの加湿空気清浄機、F-VXU90です。
この製品の最大の特徴は、花粉などを効果的に取り除くパワフルな性能です。
花粉は黄砂やPM2.5よりも重たいため、床にたまりやすいのが特徴です。
F-VXU90は床上30cmに吸引口を設置することで、床近くのエリアを徹底的に清浄化します。
この製品は最大加湿量が870mL/hで、プレハブ24畳、木造15畳といった広いリビングにも対応できる高い加湿能力を持っています。
8畳の部屋でもたったの8分で加湿空気清浄が行えます。
風量(m³/分)は強7.6、中3.6、静音2.0で、非常にパワフルな性能を発揮します。
加湿フィルターにはイオン除菌・防カビユニットが搭載されています。
給水タンクは自立でき、広口で手洗いも簡単です。
フィルターも10年間交換不要なので、ランニングコストも低く抑えられます。
価格はやや高めの7万円前後ですが、ナノイーXやスマホ連携など、充実の機能を備えたプレミアムな製品です。
Dyson Purifier Humidify+Cool 加湿空気清浄機 「HP03」
スタイリッシュでオシャレな空気清浄機をお探しの方には、ダイソンの「HP03」がおすすめです。
ダイソンはそのHEPAフィルターの技術を駆使し、有害なガスや不快なニオイを効果的に除去します。
この製品は高い密閉性を持っており、微細なハウスダストをしっかりとキャッチし、空気を浄化します。
さらに、強力なUVライトにより水タンク内の水を除菌し、清潔な水で加湿ができます。
給水タンクは製品の最下部に配置されているため、転倒のリスクが低いのも魅力です。
LCDディスプレイが搭載されており、空気の品質を視覚的に確認でき、スマートフォン連携やアプリ機能も充実しています。
ただし、加湿適用畳数は6~10畳とやや狭い範囲に限られ、フィルターの交換が年に1度必要です。
加湿空気清浄での風量は具体的には記載されていませんが、8畳の部屋をおよそ22分で浄化します。
さらに、羽のない扇風機としても使用できる点も、この製品の特長です。
価格は公式オンラインストアで92,400円(税込)とやや高価ですが、そのスタイリッシュなデザインやLCDディスプレイ、アプリ機能に魅了される方には、ぜひ試してみる価値があるでしょう。
まとめ
加湿器と空気清浄機の一体型は、1台で2つの役割を果たす便利な製品です。
多くのメーカーが一体型の製品を展開しており、性能の高い空気清浄機を求める際には一体型が選択肢になります。
一体型のデメリットは主に給水部分のメンテナンスに関連しており、それさえクリアできれば、快適な空気と湿度を手に入れることができます。
加湿器と空気清浄機の一体型を上手に活用して、より快適な室内環境を実現しましょう。