旬の食材を使用した、おふくろの味
「いらっしゃーい!」と、明るく優しい声が津がんばるマルシェのブースから聞こえてきます。この声の持ち主は、季節料理ちとせの坂井田あさゑさん。

津市美杉町で長年、旬の食材を使った『和食処ちとせ』を営んでいましたが、現在は店舗の営業はしておらず、マルシェや道の駅などで季節料理を販売しているのだそう。
皆さんご存じのとおり、美杉といえば自然豊かな場所。春は山菜やタケノコ、夏は鮎、秋はきのこなど、その季節ごとに味わえる食材が異なります。季節料理ちとせのブースには、そんな美杉の自然の恵みをふんだんに使用した味ご飯やお惣菜が並びます。

すべてが坂井田さんの手作り。「一人でつくっているから、そんなにたくさんはできないのよ~」と笑う坂井田さんですが、一人でつくったとは思えないその数には驚くばかり。マルシェ出店の日は早朝より作業をし、ひとつひとつ心を込めてつくっているそう。どれもとっても美味しそうです。
素材の良さを引き出す味つけに
この日店頭に並んでいたのは「杉たけの味ご飯」「秋鮭ご飯」「鯛の味ご飯」「牛弁」「たまご焼き」「手羽元と卵の甘煮」。

「杉たけの味ご飯」は、美杉では”スギタケ”と呼ばれるオオイチョウタケというきのこを使った味ご飯。食感や味をしっかり楽しめるよう、少し大きめにカットされ、やさしい味付けで炊かれています。
このスギタケ、坂井田さん自らが山に採りに行っているというから驚きです。美杉の方たちにとってスギタケは馴染み深い食材で、山の中では真っ白なのだそう。(※きのこの採取には専門家の判断が必要です)他ではなかなか味わえない美杉ならではの食材を楽しめるのも、マルシェならではですね。
冬になると、美杉で採れる旬の食材は少なくなりますが、保存しておいたマコモダケなどの食材を使用したメニューも登場予定。また定番メニューの「牛弁」や「鯛の味ご飯」なども大人気で、牛弁はタレも自家製。ご飯に染みたタレの具合も絶妙で絶品です。どれもこれも美味しそうなので、どれにしようか迷ってしまいますね。

そしてこの日も店頭に並んでいた「たまご焼き」。実はこのたまご焼きを求めてやってくるファンもいるほどの人気なんです。

使用しているのは、たまごと塩と砂糖のみ。他には何も入っていません。それなのに、信じられないくらい美味しいんです!シンプルな材料でこんなにおいしくできるのは、坂井田さんだからなのでしょうか。ぜひ皆さんもその衝撃的な美味しさを味わってみてください。
マルシェはお客様に直接会える楽しみな場所
取材のこの日も、一人で何パックも購入されていくお客様が。自宅ではなかなか作れないものを手軽にいろいろ購入できるのも、マルシェのいいところ。
「一度買ってくださったお客様が『美味しかったから』とまた買いに来てくれることも多いんですよ。そう言ってくれるのが一番嬉しい!お客様に直接会えるマルシェは私の楽しみのひとつです」と坂井田さん。
美味しさはもちろんですが、そのキュートな人柄に会いたくて、マルシェを訪れる人も多いのではないでしょうか。ぜひ皆さんも坂井田さんに会いに、津がんばるマルシェへお越しください♪