津市白山町「ジャンプ」

地域の方々の協力によって開所

元気いっぱい迎えてくださったのは、季節の野菜や花の販売をしている『ジャンプ』。

まずはジャンプについてご紹介します。2021年12月、津市白山町川口に開所したのが、就労継続支援B型事業所『ジャンプ』。就労継続支援B型事業所とは、障がいがあることによって雇用契約を結んで働くことが困難な方に、就労の機会や就労に必要な知識や能力を身につけるために支援を行う事業所です。

今回は同事業所の発起人である、代表理事の大窪久美子さんにお話を伺いました。

★大窪さんのインタビュー写真

これまでにも障がい者福祉施設の運営に携わってきた大窪さん。障がいを持つお子さんを育てた経験から、かねてより「障がいのある人たちが歳を重ね高齢になったときに利用する障がい者のデイサービスをつくりたい」と考えていたのだとか。

そんなことを白山町川口地域の方に話した際に「川口には高齢者がたくさんいる。障がいの有無に関わらず、みんなが利用できる場所があったら…」そんな思いを形にすべく、地域の皆さんのご理解ご協力もあり、『ジャンプ』を開所することになったのだそうです。

野菜も花も、そして心も育まれる場所

農林水産省では、農業と福祉を連携させ、農業分野で障がい者が就労や生きがいづくりの場を生み出す「農福連携」を進めています。

豊かな自然に恵まれた白山町に誕生したジャンプも、農業に特化した事業所。現在数名の知的障がいのある方が農作業に励み、自然農法で育てた野菜や花を津がんばるマルシェで販売しています。つるや竹などを利用し、手づくりのクリスマスリースや正月飾りなど季節の工芸品も製作し販売しています。

「これまで私は農業ではない就労支援施設を運営してきましたが、ジャンプで農作業をする入所者を見ていると、お日様に当たって作業することの大切さを感じます。これまで入所者は受動的に行動することが多かったのですが、今は自発的にやりたいことを選択できるようになってきました。みんなイキイキとしてきているのがわかります」と大窪さん。

そして現在、同じ建物の中で地域の高齢者も利用できる“地域密着デイサービス”の開所に向け動いているそう。

「お年寄りにも散歩を兼ねて花や野菜の水やりをしてもらうなど、障がいのある人と高齢者、そして健常者もみんなが交流できる場所にしていきたいと思っています。地域、入所者、高齢者が相互にいい影響を与えてくれることを期待したいですね」と大窪さんは話してくださいました。

マルシェが縁で事業者同士のつながりも

「実はこのマルシェがきっかけで、いろいろな事業者さんともつながりができました。とある飲食店ではジャンプの野菜を使用していただくことが決まったり、後継者不在で悩んでいたみかん園をジャンプがお世話させていただくことになったり、別のイベントに声をかけていただいたり。津がんばるマルシェは、お客さまとのふれあいはもちろん、事業者同士の出会いも楽しみです。事業所にいるだけでは新たな出会いはなかなかありませんからね」と大窪さんは話します。

まだスタートしたばかりのジャンプのため、店頭に並ぶ野菜の種類はそれほど多くはありませんが、少しずつ畑の土づくりも進み、今後はどんどん種類を増やしていく予定だそう。きっと今年の冬は、マルシェで出会ったみかん園の“みかん”も並ぶことでしょう。今後のラインナップも楽しみですね。

さてジャンプの津がんばるマルシェへの出店は、当面の間、月2回程度金曜日に出店予定とのこと。季節によって種類や品数は異なりますが、「今日は何があるかな?」とぜひ気軽に覗いてみてください。

※写真は、取材時のものです

■就労継続支援B型事業所『ジャンプ』 

住所:津市白山町川口

津市公式HP
TEL059-229-3114・3169
FAX059-229-3335