妊娠中は食事の選択に注意が必要ですが、モッツァレラチーズを食べることは可能でしょうか?
チーズの中には妊娠中に推奨されるものとそうでないものがあります。
この記事では、以下の点に焦点を当てて解説します。
- 妊娠中にモッツァレラチーズを食べても大丈夫か?
- モッツァレラチーズに含まれる栄養成分
- 妊娠中に安全に食べられるチーズの種類
- リステリア菌のリスク
モッツァレラチーズってどんなチーズ?
モッツァレラチーズはイタリア、カンパニア州原産のフレッシュチーズで、熟成させずに消費されます。
もちもちとした食感と加熱時によく伸びる特性、マイルドな風味が特徴です。
その名前はイタリア語で「引きちぎる」という意味の「mozzare」に由来します。
モッツァレラチーズの主要な3つの栄養素
モッツァレラチーズは健康的な食品で、骨を強化するカルシウム、ビタミンA、ビタミンB2を豊富に含んでいます。
これらの栄養素は骨の健康、皮膚の維持、視力の保護に役立ちます。
カルシウムは筋肉の機能と血液の凝固を助け、ビタミンAには抗酸化作用があり、ビタミンB2は体内の代謝を促進します。
妊娠中のモッツァレラチーズ摂取は安全か?
妊娠中は食品の安全性が特に重要です。
モッツァレラチーズは、製造方法によってはリステリア菌を含むリスクがあるため、製品選びに注意が必要です。
日本製のモッツァレラは通常殺菌処理されており安全ですが、輸入品では生乳を使用しているものもあります。
リステリア菌の危険性
リステリア菌に汚染された食品を摂取すると、妊娠中の女性には特に重篤な影響が出ることがあります。
胎盤を通じて胎児に感染し、発育障害や流産のリスクを高めることがあります。
また、妊娠中には使用できない薬も多いため、リステリア菌による食中毒が発生した際の治療選択肢が限られます。
妊娠中に食べられるチーズ・控えたいチーズ
妊婦さんが控えたいチーズ
避けるべきチーズは「ナチュラルチーズ」カテゴリーに属します。
これらのチーズは加熱されておらず、リステリアやトキソプラズマなどの細菌が含まれているリスクがあります。
これらの細菌は流産や先天性障害のリスクを高めることがあります。
ナチュラルチーズとは、乳酸菌が活動している未加熱のチーズで、ゴルゴンゾーラ、モッツァレラ、クリームチーズ、チェダー、カマンベールなどが含まれます。
これらは、加熱せずに摂取すると健康リスクが伴います。
特に輸入されたチーズは生乳から作られている可能性があり注意が必要です。
ただし、十分に加熱すれば細菌は死滅し、安全に食べることができます。
日本製のナチュラルチーズの大部分は加熱処理されているため、比較的安全です。
妊婦さんが食べられるチーズ
加工チーズやピザ用チーズ、さけるチーズ、6Pチーズなど、加熱処理や殺菌処理を施したチーズは妊婦さんにとって安全です。
これらは製造過程で十分な熱処理を経ており、リスクが低減されています。
国内で製造されたこれらのチーズは、ほとんどの場合安心してお楽しみいただけます。
妊娠中でも安全なモッツァレラチーズのおすすめレシピ
妊娠中でも楽しめるモッツァレラチーズのレシピをいくつか紹介します。
ピザ
ピザに使われるモッツァレラチーズはオーブンで十分に加熱されるため、万が一リステリア菌が存在していても死滅します。
これにより、安全で美味しく楽しむことができます。
アヒージョ
アヒージョで使用するモッツァレラチーズは適度に溶けて絶品です。
加熱することで細菌は死滅し、これも妊婦さんには安心です。
トロリとしたチーズをパンに乗せて味わうのはお試しいただきたい一品です。
妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に特におすすめの食材とそれらが含む重要な栄養素を見ていきましょう。
- 豚肉: タンパク質とビタミンB群
- 鶏肉: タンパク質
- 牛肉: タンパク質、鉄、亜鉛
- 青魚: DHAとEPA
- 鮭: タンパク質、ビタミンB6、ビタミンD
- ぶり: 鉄
- かつお: 鉄
- 白身魚: タンパク質
- 貝類: 鉄と亜鉛
- 桜エビ: カルシウム
- 卵: タンパク質
- ブロッコリー: 葉酸とカリウム
- 青菜: 葉酸、鉄、カリウム、カルシウム
- ヨーグルト: タンパク質とカルシウム
- 納豆: 葉酸とビタミンE
- 大豆製品: タンパク質、鉄、ビタミンE、カルシウム
- いちご: 葉酸
- アボカド: ビタミンEとカリウム
- トウモロコシ: 葉酸とビタミンE
- グリーンアスパラガス: 葉酸
- 枝豆: 葉酸
- そら豆: 葉酸
- トマト: カリウム
- もずく: ミネラルと食物繊維
- きのこ: 食物繊維とビタミンD
- 切り干し大根: 食物繊維
- もち麦: 食物繊維
妊娠中に少量に控えたい食材
特定の食材は妊娠中に少量に控えるべきです。
これには、食中毒のリスクが高いものや、胎児の成長に悪影響を及ぼす可能性がある食品が含まれます。
食中毒や感染症のリスクのある食品
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉や魚のパテ
メチル水銀を含む食材
- 金目鯛、メカジキ、メバチマグロ、本マグロ、エッチュウバイ貝、くじら: 各1回80gを週に1度まで
- きだい、インドマグロ、マカジキ、くろむつ: 各1回80gを週に2度まで
ヨウ素やヒ素を含む食品
- 昆布: 1日1回少量
- ひじき: 小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲料
- コーヒー: 約60mg/100ml
- 紅茶: 約30mg/100ml
- 緑茶: 約20mg/100ml
- ほうじ茶: 約20mg/100ml
- ウーロン茶: 約20mg/100ml
- ココア: 約10mg/100ml
糖分を多く含むお菓子やジュース
妊娠中は、糖分が多いお菓子や甘いジュースの摂取を控えることが重要です。
これらを過剰に摂取すると、妊娠糖尿病を発症するリスクが高まります。
妊娠糖尿病は妊娠中に初めて発症することがあり、必要以上に胎児へ栄養が送られることが原因です。
この状態は胎児に合併症を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
妊娠初期には、動物性ビタミンAを過剰に摂取することが胎児の発育異常を引き起こすことがあります。
特にビタミンAが豊富な食品には注意が必要です。
これには以下の食品が含まれます。
- レバー
- うなぎ
- あなご
これらの食品を摂る際は、摂取量を控えめにすることが推奨されます。
塩分を多く含む食べ物
妊娠中の塩分の過剰摂取は、妊娠高血圧症候群のリスクを高めることがあります。
この状態は妊婦の約5%に発生し、特に妊娠34週未満で発症すると重症化する可能性があります。
これにより、胎児の発育不全、常位胎盤早期剥離、機能不全などが起こり得ます。
重症化すると胎児の命にも関わるため、塩分摂取には慎重になる必要があります。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ、ユッケ、馬刺し、お刺身、パテなど)
- アルコール
まとめ
妊娠中は、殺菌処理されたモッツァレラチーズは食べられますが、未殺菌乳を使用した海外製のチーズは避けるべきです。
未殺菌のチーズにはリステリア菌が存在する可能性があり、リステリア菌による食中毒は流産や早産のリスクを高めることがあります。
以下は妊娠中における食品摂取の基本ガイドラインです。
糖分の摂取を控える
高糖分のお菓子やジュースは妊娠糖尿病を引き起こすリスクがあります。
妊娠中の過剰な糖分摂取は、母体と胎児に様々な健康問題を引き起こす可能性があるため、控えめにします。
ビタミンAの過剰摂取に注意
妊娠初期に動物性ビタミンAを多く含む食品(特にレバー、うなぎ、あなご)の摂取は胎児の発育異常を引き起こす可能性があるため、これらの食品の摂取量には注意が必要です。
塩分の適正摂取
塩分を過剰に摂取すると妊娠高血圧症候群のリスクが高まります。
この症状は妊娠中に発症する可能性があり、重症化すると母体と胎児に深刻な影響を及ぼすため、塩分の摂取はほどほどにします。
生肉とアルコールを避ける
生肉やアルコールは妊娠中に摂取してはならない食品です。
これらは胎児への健康リスクが高いため、完全に避けるべきです。
妊娠中の食生活は母体と胎児の健康に直接影響を与えるため、特に注意が必要です。
上記のガイドラインを参考に、健康的な食事を心がけることで、妊娠期の安全と健康を守ることができます。