この記事では、BootCampを通じてMacにWindowsをインストールする際のメリットとデメリットについてご紹介します。
コンピュータを選ぶ際、一般的にはMacとWindowsのどちらかを選ぶことになります。
業務や学校でWindowsが広く使われていることから、多くの人がWindowsを選んでいます。
実際、ある調査では90%以上の人がWindowsを選択していると報告されています。
しかし、日本ではiPhoneが市場の70%を占めるなど、Apple製品の人気が高く、それに伴いMacを選ぶユーザーも増えています。
Appleのコンピュータはデザインが洗練されており、iPhoneとの連携も非常にスムーズです。
ただ、Macで使えないアプリケーションやソフトウェアが存在するのが問題です。
例えば、仕事で必要なソフトウェアが使えなかったり、他人から受け取ったデータが開けなかったり、希望するアプリがMac非対応であったりする場合、Boot Campを使ってMacにWindowsをインストールすることが一つの解決策となります。
これにより、iMacやMacBookでWindows専用アプリケーションを利用できるようになります。
しかし、MacにWindowsを導入することにはデメリットもあります。
この記事では、BootCampを使ってMacにWindowsをインストールする際のメリットとデメリットを深堀りしていきます。
MacのBootCampとは
BootCampはAppleが開発した、Mac上でWindowsを起動させるためのソフトウェアです。
Boot Camp は Mac 付属のユーティリティです。
Boot Camp を使えば、Mac 上で macOS と Windows を切り替えられます。
Windows 10 をダウンロードしたら、あとは Boot Camp アシスタントの案内にそってインストールするだけ (Intel ベースの Mac のみ)。
引用:Apple公式サイト
このように、Mac上でWindowsを起動させることが可能になります。
BootCampは「Mac OS X 10.5」以降に標準搭載されていますので、多くのMacユーザーにとって非常に便利な機能です。
ただし、Macを購入してからWindowsを導入するのであれば、最初からWindows機を選ぶ方がよいと考える方もいます。
BootCamp(ブートキャンプ)のデメリット
BootCampを使用してMacにWindowsをインストールすることは、複数のデメリットを伴います。
最も顕著な問題の一つは、内部ストレージの空き容量が著しく減少することです。
特に、多量のデータを保存する必要がある場合、この問題は避けられません。
BootCampを使用する際には、より大容量のストレージを持つモデルを選択することを推奨します。
また、Windowsを起動するたびにシステムを再起動する必要がある点も、使用上の不便として挙げられます。
これは、BootCampがデュアルブートシステムを採用しているためで、Mac OSとWindows OSを同時に動作させることはできません。
ただし、Parallelsのような仮想マシンソフトウェアを使用すれば、Mac OSを稼働させながらWindowsを起動することが可能です。
BootCamp(ブートキャンプ)のメリット
BootCampを使用することには、確かに複数のメリットも存在します。
WindowsをMac上で動かすことにより、互換性の問題がほとんど発生せず、Macの高性能ハードウェアをフルに活用してWindows専用のソフトウェアを使用できます。
多くのユーザーが、この高い互換性に驚き、快適に作業を行うことができます。
しかし、Macを購入し、さらにBootCampを利用するためには追加のコストがかかり、ストレージのアップグレードが必要になることがあります。
そのため、初期費用が高くなる可能性があり、予算に制限がある方にとっては難しい選択かもしれません。
Apple M1チップとBootcampの互換性について
Appleが発表したM1チップを搭載した最新のMacコンピューターでは、BootCampを使ってWindowsを動かすことができません。
これはBootCampがIntelプロセッサにのみ対応しているためで、M1チップでは直接的にWindowsを動作させることができません。
しかし、まだ希望はあります。
それは「Parallels」がM1チップ向けに対応を進めているということです。
実際、2021年4月にはParallels DesktopがM1チップにネイティブ対応しました。
これによりM1 Macユーザーは、Windows 10のArm版やArmベースのLinuxを動かすことが可能になりました。
そのため、M1チップを搭載したMacでWindowsを使いたい場合は、Parallels Desktopを通じて可能となります。
VPSを利用した別のアプローチ
もう一つの選択肢として、VPSを使ってMacでWindowsを動かす方法もあります。
VPSは複数の仮想サーバーを物理サーバー上に構築し、各ユーザーに専用サーバーのような環境を提供するサービスです。
この方法では、専用サーバー並みの性能をより低コストで利用することができます。
この技術を利用すれば、インターネット経由でオンライン上のパソコン(サーバー)をレンタルし、自分のMacから操作してWindowsのアプリケーションやソフトウェアを使用することができます。
特に、Windows PCを新たに購入するよりもはるかに低コストでWindows環境を手に入れることができるため、コストを抑えたい方にとって魅力的な選択肢です。
」などのサービスを利用すれば、業界トップクラスの低価格でVPSを利用することが可能です。
設定も簡単で、申し込んでから1時間ほどでサービスを利用開始できます。
Macのメリット
Macの購入を検討している方に向けて、私がMacを推奨する理由を紹介します。
私はMacの熱烈なファンで、その魅力を多くの人に伝えたいと思っています。
- iPhoneとのシームレスな連携
- 優れたデザイン
- 高いセキュリティレベル
- タイピングしやすいキーボード
- 洗練された使いやすいアプリ
iPhoneとのシームレスな連携
WindowsとiCloudの同期は可能ですが、少々使い勝手が悪いと感じることがあります。
しかし、Macを使えば、iPhoneで利用しているアプリをそのまま同期し、使用することができます。
例えば、iPhoneで確認したメールをMacでも見ることができ、返信も可能です。
また、iPhoneで撮影した写真をiCloudを通じて同期すれば、Macの写真アプリで同じ写真を閲覧でき、iPhoneを物理的にMacに接続する手間も省けます。
iPhoneで使っているメモ、リマインダー、カレンダー、連絡先などのアプリもMacに搭載されており、同じ情報をMacでも使用できます。
優れたデザイン
Macのデザインへのこだわりは、内部構造から梱包パッケージに至るまで徹底されています。
初めてMacintosh Performa 630を購入した時、パッケージを開けた瞬間からMacの虜になりました。
製品を手に取るだけで感動を与えてくれるのは、Macならではの特徴です。
高いセキュリティ
Macがウイルスに強い理由は、「Macを使っているから」というわけではなく、OSのシェアでWindowsが約90%を占めているため、ウイルスの主なターゲットがWindows向けであるからです。
それでも、MacにはGatekeeperやファイアウォールなどのセキュリティ機能が標準で装備されており、基本的なウイルス対策が容易にできます。
タイピングしやすいキーボード
Macと他のパソコンを比較すると、Macのキーボードの方がタイピングしやすいと個人的に感じます。
打鍵感が心地よく、長時間タイピングしても疲れにくいです。
高品質のキーボードを別途購入すればWindowsでも快適に使えるかもしれませんが、多くの場合、Macの標準キーボードの方が使用感が良いです。
洗練された使いやすいアプリ
Windowsの方がアプリの数は圧倒的に多いのですが、Macにはデザインが洗練されていて使いやすいアプリが存在します。
Appleのデザイン哲学に共感した会社がアプリをMac専用で開発するからかもしれません。
最近はクロスプラットフォームが主流になってきたので、MacでもWindowsでも同じアプリを使ってデータの共有ができるようになっています。
そんな中でも、個人的にAirMail、Bear、Paste、TickTick、miは手放せないので、私の場合Windowsがメインになることはないでしょう。
Macのデメリット
多くの魅力があるMacですが、購入前には以下のデメリットも認識しておく必要があります。
- 比較的高い価格
- 一部のソフトウェアやツールが非対応
- カスタマイズの自由度が低め
- 対応していないゲームが多い
これらの点を踏まえて、Macの購入を検討することが重要です。
価格の高さ
Macを選ぶ際の大きな障害となり得るのが、その価格の高さです。
Windowsを搭載したノートパソコンの場合、比較的安価で、2万円から3万円程度で購入可能なモデルもあります。
しかし、Macのノートパソコンは、もっとも手頃なモデルでも10万円以上することが普通です。
特に、人気のMacBook Airが9万円台からとなっていることを見ると、Windows製品と比べるとその価格差は明らかです。
このような価格差は時に「アップル税」と称されることもありますが、Macにはそれだけの価値があると感じているユーザーも多いです。
予算が心配な場合は、Appleが提供する整備済み製品を検討するのも一つの方法です。
【整備済み製品とは】
出典:Apple Store ご利用ガイド
Apple認定整備済製品とは、Appleの厳しい整備プロセスを経て販売される、新品ではないApple製品です。
さらに、定価で購入するよりも安価にMacを手に入れる方法も存在します。
ソフトウェアとツールでのWindowsの優位性
世界のオペレーティングシステムのシェアでは、Windowsが約90%を占めています。
その結果、多くのソフトウェアやツールはWindows専用に開発されており、Mac非対応のものも少なくありません。
Macユーザーはこの点に注意が必要です。
一方、Windows用ツールをMacで使えるようにするソフトウェアもありますが、Mac専用のアプリと比較すると使用感が異なる場合があります。
カスタマイズの自由度の違い
Macは、Windowsに比べてカスタマイズの自由度が低いです。
ユーザーが自分の好みに合わせて自由にカスタマイズできるのはWindowsの魅力です。
Appleの製品は独自の規格で設計されており、そのフレームワークの中で作業を行うことで高性能を発揮します。
ですが、個人の好みに合わせてPCをカスタマイズしたい場合は、Windowsの方が適しています。
ゲームプレイの制限
PCゲームを楽しむなら、Windowsを選ぶべきです。
Macでプレイ可能なゲームは限られており、多くの人気PCゲームはMacでは動作しません。
BootcampやParallelsを使ってMacにWindows環境を構築することでゲームを楽しむことも可能ですが、ゲームを主な目的とするならWindowsが適しています。
おすすめのMacのモデル
ここでは、用途に応じて選ぶべきMacのモデルを紹介します。
Macにはさまざまな種類があり、それぞれ特定のニーズに合ったモデルが存在します。
MacBook Air
ブログを書いたり、ウェブを閲覧したり、iPhoneと同期させたり、Officeアプリを使ったりするなど、比較的軽い作業にはMacBook Airが最適です。
このモデルは日常的な使い方には十分過ぎるほどの性能を持っています。
普通の使用であれば128GBのストレージで足りますが、写真や動画、音楽などのデータをたくさん保存する予定がある場合や、iPhoneのバックアップを取る場合には、256GBモデルの方が向いています。
個人的にも、サブマシンとしてMacBook Airを愛用しています。
MacBook Pro
動画や画像の編集、音楽制作など、より高いパフォーマンスが求められるコンテンツ制作には、MacBook Proが適しています。
持ち運びを考えるなら13インチモデルがいいでしょうが、もっと高性能を求めるなら15インチや16インチモデルがおすすめです。
16インチモデルは重さが1.8kgと、Windowsの15インチモデルに比べても軽く、持ち運びやすいですが、それでも持ち歩くにはそれなりの体力が必要になるかもしれません。
iMac
外出先での使用がなく、主に動画や画像の編集に集中したい場合は、大画面のiMacが作業に最適です。
iMacはMacBook Proがより人気があるものの向いている用途が違うので、家での使用にはiMacを、外出時にはMacBook Airを使用する、この2台持ちは非常に便利だと感じています。
ちなみに、私は家での使用にはMac Studio、外出時にはMacBook Proを使用しています。
まとめ
BootCampをMacに導入することは、Windowsが必要なMacユーザーに大きな利点を提供しますが、利用する際にはいくつかのデメリットも存在します。
メリットの最大のポイントは、互換性にあります。
BootCampを利用することで、Macのハードウェア上でWindows専用のアプリケーションやソフトウェアを使用できるようになります。
これにより、WindowsとMacの両方のOSを使用したいユーザーにとって、一台のマシンで二つの環境を利用できるようになります。
また、Macの高いハードウェア性能を生かしてWindowsを動かせるため、パフォーマンスの面でも大きなメリットがあります。
しかし、デメリットとしては、まず内部ストレージの空き容量が大幅に減少することが挙げられます。
WindowsとMac OSの両方をインストールする必要があるため、それぞれのOSに充分なストレージスペースを確保する必要があります。
また、Mac OSとWindows OSを同時に稼働させることはできず、OS間の切り替えにはシステムの再起動が必要となります。
これは作業効率を下げる可能性があります。
さらに、Apple M1チップを搭載した最新のMacではBootCampが使用できないため、別の対応策を考える必要があります。
結論として、BootCampの利用は、Windows環境が必要なMacユーザーにとって大きな価値があります。
しかし、ストレージの消費、システム再起動の必要性、M1チップ搭載Macの非対応などのデメリットも考慮する必要があります。
特にM1から始まったApple Silicon製のCPUに対応出来ていないので、Intel製CPUのMacが製造されていない現状ではBootCampは使えないと考えた方が良さそうです。
MacでWindowsを使いたい場合は、Parallels Desktopを使用しましょう。