秋の代表的な味覚である「きのこ」は、個性的な形と特有の風味で知られています。
きのこは食物繊維が豊富なことで有名ですが、それ以外にも様々な健康効果があります。
ここでは、きのこの栄養成分とそれがもたらす健康効果に焦点を当てて解説します。
きのこの持つ素晴らしい栄養と健康上のメリット
意外と低カロリー
特に注目すべきは、きのこの低カロリー性です。約90%が水分で、脂肪はほとんど含まれていません。
きのこの平均カロリーは100gあたり約17.8kcalとされており、加熱しても食感を保ち、満腹感も得られるため、日々の食事に取り入れるのがおすすめです。
食材名 | カロリー |
---|---|
エリンギ | 18 |
まいたけ | 17 |
ぶなしめじ | 18 |
ブナピー | 17 |
霜降りひらたけ | 15 |
豊富な食物繊維
すでに述べたように、きのこは食物繊維が非常に多いです。これはキャベツをも上回る量です。
特に不溶性食物繊維が多く含まれており、便量を増やし、腸の活動を促進し、便通を良くする効果があります。
さらに、動脈硬化、大腸がん、糖尿病などの予防にも役立つとされています。
近年では、主要5栄養素に続く「第6の栄養素」としても注目されており、日本人の食生活に不足しがちな食物繊維を、きのこを通じて積極的に摂取することが推奨されています。
食材名 | 食物繊維(g) |
---|---|
エリンギ | 2.7 |
まいたけ | 3.7 |
ぶなしめじ | 2.9 |
ブナピー | 2.8 |
霜降りひらたけ | 2.2 |
キャベツ | 1.8 |
セロリ | 1.5 |
レタス | 1.1 |
ビタミンとミネラルが豊富
きのこにはビタミンB群やビタミンDが豊富に含まれています。
たとえば、ビタミンB1は炭水化物の代謝をサポートし、疲労感の軽減に役立ちます。
ビタミンB2は脂肪の代謝を助け、健康な肌や髪の生成に寄与します。
さらに、きのこには多様なミネラルが含まれており、特にカリウムが豊富です。
例えばエリンギでは、含まれるミネラルの約77%がカリウムであるとされ、これは高血圧や心不全、無気力症の予防に効果が期待されています。
ビタミンB1の含まれる量
ビタミンB1 | 100gあたり(g) |
---|---|
エリンギ | 0.11 |
まいたけ | 0.08 |
ぶなしめじ | 0.11 |
ブナピー | 0.12 |
霜降りひらたけ | 0.15 |
キャベツ | 0.04 |
セロリ | 0.03 |
レタス | 0.05 |
ビタミンB2の含まれる量
ビタミンB2 | 100gあたりの含有量(g) |
---|---|
エリンギ | 0.17 |
まいたけ | 0.11 |
ぶなしめじ | 0.18 |
ブナピー | 0.19 |
霜降りひらたけ | 0.21 |
キャベツ | 0.03 |
セロリ | 0.03 |
レタス | 0.03 |
葉酸の含有量に注目
葉酸はビタミンB群の一部で、赤血球の形成や貧血予防に不可欠な栄養素です。
特に妊婦にとって重要な栄養素であり、積極的な摂取が推奨されています。
葉酸 | 100gあたりの含有量(μg) |
---|---|
エリンギ | 71 |
まいたけ | 41 |
ぶなしめじ | 59 |
ブナピー | 54 |
霜降りひらたけ | 71 |
キャベツ | 78 |
レタス | 73 |
多くの栄養素が注目される栄養価
オルニチンの効果について
ダイエットサポート食品によく含まれるオルニチンは、脂肪燃焼の促進が期待されています。
また、肝臓機能のサポートや疲れの回復、二日酔いの軽減にも効果があるとされています。
特にぶなしめじにはオルニチンが豊富で、その量はしじみの約5倍(100gあたり)とされています。
しじみと併せて摂ることで、二日酔いの予防効果がさらに高まる可能性があります。
GABAの役割
一般にあまり知られていないかもしれませんが、GABAは神経の高ぶりやイライラを抑えるアミノ酸です。
最近の研究では、きのこにGABAが多く含まれていることが明らかになっています。
βグルカンの効能
きのこの細胞壁には、βグルカンという食物繊維が含まれており、免疫力の活性化や体の防御機能の強化に寄与します。
きのこに含まれるβグルカンは種類も豊富で、特に効果が高いとされています。
乾燥しいたけの栄養価が驚異的
保存が利く乾燥しいたけは、戻し汁を出汁として利用できるなど、様々な料理に活用できます。
しかし、乾燥することで栄養価が大幅に増すことはあまり知られていません。
生しいたけと乾燥しいたけの栄養成分の比較を見てみましょう。
栄養価 | 生しいたけ | 乾燥しいたけ |
---|---|---|
食物繊維(g) | 4.2 | 5.5 |
カリウム(mg) | 270 | 2,100 |
ビタミンD(μg) | 0.4 | 12.7 |
葉酸(μg) | 75 | 240 |
特にビタミンDは約30倍に増加することが確認されています。
水戻しには手間がかかりますが、乾燥しいたけを上手に使うことで、さらに多くの栄養を摂取できるでしょう。
日光で栄養価を向上
市販されている乾燥しいたけを天日で干すと、ビタミンDが増えることが分かっています。
また、この方法は味わいや香りも豊かになりますので、試してみる価値があります。
約30分間、直射日光に当てるだけで効果的です。
この方法はしいたけだけでなく、他のきのこ類にも有効です。
乾燥しいたけの戻し方
通常、乾燥しいたけは常温の水かぬるま湯で30分程度戻しますが、より多くの旨味を引き出すためには、冷水で浸して冷蔵庫で半日置く方法がお勧めです。
水分が乾燥した細胞に浸透すると、旨味成分が増加します。
特に効果的なのは冷水で戻す方法です。
急いでいる場合は、きのこを3〜4つに切り分けると水分吸収が早くなります。
栄養を活かした調理法
例えば、しめじを使用したロールキャベツのレシピなど、きのこの栄養を保ちながらの調理方法を紹介します。
意外と知られていないポイントもありますので、ぜひチェックしてみてください。
きのこの適切な洗い方
きのこを水洗いするか否かは、その種類によります。
水で洗うことが適しているのはマッシュルームやなめこなどですが、それ以外のきのこは通常、水洗いせずそのまま使用します。
水溶性の栄養素や風味が流れるのを防ぐためです。
栽培されたきのこは比較的清潔で、水洗いする必要は少ないです。
汚れが気になる場合は、湿らせたキッチンペーパーで軽く拭き取ることが推奨されます。
過度の加熱は避ける
きのこは、味噌と同じく、加熱し過ぎると風味や旨味が損なわれることがあります。
長時間の煮込みや強火での炒め過ぎは避け、適度に加熱することが重要です。
細かく切ったきのこは、加熱時間が短縮されるため、短時間の炒めるだけでも十分美味しくいただけます。
まとめ:きのこを利用した健康的な食生活
リーズナブルで使い勝手の良いきのこには、豊富な栄養が含まれ、体に良い効果が期待されます。
食物繊維が多く低カロリーなので、特に女性には積極的な摂取がおすすめされています。
日常の食事にきのこを取り入れることで、より健康的で充実した食生活が実現できるでしょう。