サバは健康と美容に貢献する食材として重宝されていますが、生のサバは調理や保存が手間がかかります。
そこで役立つのがサバ缶です。長期保存が可能で、手軽に楽しめる点が魅力です。
しかし、サバ缶は独特の匂いがあり、一部の人には不快感を与えることも。
また、油や汁の処理、空き缶の後始末も面倒な作業です。
この記事では、サバ缶独特の匂いを減らす方法と、匂いを気にせずに片付けるコツを紹介します。
サバ缶の栄養とそのメリット
サバ缶は、忙しい毎日にも手軽にサバを取り入れることができる食品です。
簡単に手に入り、長く保管できる利点があります。
サバ缶には健康や美容に良い栄養素が豊富に含まれています。
通常、生魚を調理する際に取り除かれる小骨や皮、血合いも缶詰には含まれており、栄養価が高いのが特徴です。
缶詰は通常の魚よりも多くの栄養を摂取できます。
また、魚を茹でたり焼いたりすると栄養素が流れ出てしまうことがありますが、缶詰は加熱処理されているため、栄養が逃げることが少ないです。
サバ缶には、カルシウム、DHA、EPAなど、健康、美容、ダイエットに必要な栄養素が豊富に含まれています。
カルシウム豊富なサバ缶の利点
カルシウムは骨の健康を支え、ストレスの多い現代社会において重要な役割を担う栄養素です。
サバ缶は骨ごと食べることができるため、生のサバと比べてより多くのカルシウムを摂取できます。
たとえば、生のサバ100gに含まれるカルシウムは6mgですが、サバ缶100gには260mgと、約43倍のカルシウムが含まれています。
1缶(190g)を食べることで、成人の1日のカルシウム必要量のほぼ半分を摂ることができます。
さらに、サバ缶にはカルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富に含まれています。
ビタミンDは現代人に不足しがちな栄養素で、サバ缶で手軽に摂ることができるのは大きな利点です。
DHAの効能
DHAはドコサヘキサエン酸と呼ばれ、青魚に豊富に含まれる重要な脂質です。
DHAと後述するEPAはオメガ3脂肪酸の一種で、体内で自ら生成することができないため、食事を通じて摂取する必要があります。
オメガ3脂肪酸は炎症を抑え、老化防止にも寄与し、健康と美容には欠かせない成分です。
DHAは特に、脳の機能を向上させたり、記憶力を高めたりする効果があり、認知症のリスクを減らす栄養素として知られています。
市販されているDHAとEPAのサプリメントもありますが、酸化しやすいというデメリットがあります。
酸化された脂質は体に悪影響を及ぼす可能性があるため、食品からの摂取が推奨されています。
サバ缶は、1缶に約1300mgのDHAを含み、日常の摂取量を満たすのに十分な量を提供します。
EPAの効能
EPA、別名エイコサペンタエン酸も、DHAと同様に青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸の一種です。
EPAは体内の炎症を抑え、老化を防ぐ効果があり、特に血液と心臓の健康に重要な役割を担っています。
EPAには血管内の中性脂肪を減らし、血液の流れを良くする効果があります。
また、空腹感を抑えることで中性脂肪の蓄積を防ぎ、ダイエットにも効果的とされています。
心臓疾患のリスクを下げる効果もあるため、血圧や中性脂肪に悩む人には特におすすめの栄養素です。
サバ缶には100gあたり約930mgのEPAが含まれています。
サバ缶の匂いの原因とその特徴
サバ缶は保存や調理が便利で栄養価が高い反面、独特の匂いが気になることもあります。
サバはその特有の魚臭さが強く、缶詰になっても匂いが残ることがあります。
特に水煮のサバ缶では匂いが強く感じられますが、味噌煮など味付けされた缶詰ではあまり気にならないこともあります。
サバの匂いの主な原因は「トリメチルアミン」という成分です。
これは通常の腐敗臭とは異なり、魚特有の匂いです。
魚を捕獲してから時間が経つと、身に含まれる「トリメチルアミンオキサイド」がトリメチルアミンに変化し始めます。
サバはこの変化が他の魚に比べて早く、そのため匂いが強くなりがちです。
サバ缶の匂いを軽減する方法
サバ缶特有の匂いを減らす方法をお探しの方は多いかもしれません。
生の魚の場合、水で洗ったり熱湯をかけることで匂いを和らげることが可能ですが、サバ缶ではこれらの方法は適用できません。
それでも、手軽にできる他の方法があります。
香味野菜やスパイスを利用
サバ缶の匂いを抑える方法の一つとして、香味野菜やスパイスの使用が効果的です。
和食では、サバと生姜の組み合わせがおすすめです。
サバ缶に生のおろし生姜を加え、最後にネギを散らすと、生姜の辛味と香りがサバの匂いを和らげます。
煮込み料理やスープ、炊き込みご飯では、スライスした生姜を数枚入れると良いでしょう。
西洋料理では、オレガノ、タイム、ローリエなどのハーブが適しています。
これらの香味野菜は、生姜と同様に強い香りを持ち、魚の匂いを和らげます。
トマトとの相性が良いため、トマトベースの料理に最適です。
アルコールを使用した匂いの軽減
香味野菜やスパイスで匂いを覆う方法とは別に、根本から匂いを減らすためにはアルコールの使用がおすすめです。
お酒やみりんに含まれるアルコールは、揮発する際に匂い成分も一緒に取り除く効果があります。
料理前にお酒を少量振りかけたり、調理中に加えることで、匂い成分を減らすことが可能です。
日本酒、ワイン、みりんはそれぞれ独特の香りや甘みを持っており、匂いをマスクし、料理に風味を加える効果があります。
酸味を使用した匂いの軽減
もう一つの方法として、酸味のある調味料の使用が挙げられます。
匂いの主成分であるトリメチルアミンはアルカリ性であるため、酢やレモン汁などの酸味を加えることで中和することができます。
調理時に酸味が強く感じられることがありますが、加熱すると酸味は軽減されます。
サバ缶をそのまま食べる際には、レモン汁やポン酢をかけると、爽やかな酸味が料理とよく合い、おすすめです。
加熱による臭みの軽減
スパイスや調味料を使いたくない場合、加熱処理だけでもサバ缶の臭みは軽減できます。
トリメチルアミンは揮発しやすい物質であり、しっかり加熱することで臭いを減らすことが可能です。
サバ缶を焼いたり、煮たり、電子レンジで温めるだけでも、臭みはかなり抑えられます。
ただし、調理時に発生する臭いは空気中に広がるため、換気扇の使用が重要です。
他の料理との合わせ技
サバ缶を単体ではなく、他の料理と組み合わせるのも効果的です。
例えば、カレーやハンバーグ、つみれなどにサバ缶を加えると、これらの料理に含まれるスパイスや香味野菜がサバの臭いをカバーします。
特に、ハンバーグやつみれの中にみじん切りの生姜を混ぜ込むと、サバの臭みが消え、さらに辛味が加わり風味が増します。
サバ缶の後始末とゴミ箱対策
サバ缶を食べた後は、空き缶やシンクの後始末が重要です。
残った汁や肉片は臭いの原因となり、そのまま流すと排水口に悪影響を及ぼすことがあります。
キッチンやゴミ箱に残る臭いも問題です。このような後始末が面倒だと感じてサバ缶を敬遠する人もいます。
こうした場合、キッチンペーパーやビニール袋、重曹が役に立ちます。
残り汁の処理方法
サバ缶から出る汁は、そのまま排水口に流さずに処理することが必要です。
汁に含まれる脂は排水口の問題を引き起こす可能性があります。
この汁を処理する際には、キッチンペーパーや新聞紙を使って吸い取る方法が良いでしょう。
吸収した後のキッチンペーパーや新聞紙はビニール袋に入れ、臭いが漏れ出ないように袋をしっかり縛ってから捨てます。
サバ缶の適切な洗浄方法
サバ缶を使った後は、缶の内側に残る脂を適切に洗浄することが大切です。
単に水で洗うだけでは不十分で、また、缶の鋭い端で手を切るリスクもあるため、直接スポンジで洗うのは避けるべきです。
サバ缶を洗う際には、台所用の中性洗剤を使用し、ぬるま湯かやや熱めの水を用いましょう。
洗剤とお湯を缶に入れて蓋をし、振ることで脂がかなり落ちます。
その後、水でしっかりと洗い流し、ビニール袋に入れて廃棄します。
臭いを完全に取り除くのは難しいですが、ビニール袋をしっかり縛ることで、臭いは大幅に減少します。
シンクの臭い取りには重曹が有効
サバ缶の臭いがシンクに残った場合、中性洗剤だけでは不十分です。そこで役立つのが重曹です。
重曹は酸性物質を中和する効果があり、サバ缶の主な臭い成分であるトリメチルアミンを中和することができます。
重曹は手軽に購入でき、シンクに直接振りかけたり、水で溶かしてスプレーし、少し置いた後に洗い流すと効果的です。
ゴミ箱の臭い対策にも重曹を活用
重曹はゴミ箱の臭い対策にも有効です。
サバ缶を洗ってビニール袋に入れた後でも臭いが気になる場合、ゴミ箱やゴミ袋に重曹を振りかけておくと良いでしょう。
ただし、シンクに直接熱湯をかけるのは避けてください。
熱湯は臭いを拡散させるだけでなく、シンクや排水口を傷める恐れがあります。
まとめ:サバ缶の臭い対策と栄養素、後始末のポイント
今回は、健康と美容に役立つサバ缶の栄養と、その特有の臭いへの対策、後始末の方法をご紹介しました。
サバ缶は健康に良い食品ですが、特有の臭いが食べ続ける際の障壁となることもあります。
紹介した調理方法や後始末のテクニックを活用し、サバ缶料理を楽しんでみてください。